80代の親へのプレゼント。今も使われているものには、共通点がありました
「今年は何を贈ろう。毎年おなじようなものになってしまう」
「食べ物にしようか。でも、硬いものはもう食べないし、量も食べない」
敬老の日が近づくと、売り場の前で手が止まる。そんな方は少なくないと思います。
今日は、80代の親に何を贈るか。何年も使ってもらえているものと、食べ物の選び方、 施設への差し入れまで整理します。70代でも90代でも、見るところは同じです。
贈る日は、敬老の日だけではありません
今年の敬老の日は9月21日、9月の第3月曜日です。年によって日にちが動くので、気づいたら過ぎていた、ということもあります。
ただ、わたしはその日にこだわらなくていいと思っています。
わたし自身、毎年きちんと贈っているわけではありません。母の日、父の日、誕生日。そのときどきで、贈りたいと思ったときに贈っています。還暦のときと、金婚のときにも贈りました。
ですので「今年は敬老の日に間に合わなかった」と気にしなくて大丈夫です。日にちが決まっていないほうが、かえってゆっくり選べます。
そのうえで、何を選ぶか。ここからが本題です。
今も使われているものの、共通点
わたしが訪問していて、今も使われているなと感じるのは、普段使いできるものです。
ひざかけ。羽織れる上着。毎日の生活の中に、そのまま置き場所があるものです。
ひとつ、自分の話をします。 以前、父に薄手の上着を贈ったことがあります。それを、父は今でも着てくれています。
選んだ理由は単純でした。父は寒がりなんです。 高齢の方は体温の調節がしにくくなるので、夏でも肌寒いと感じることがあります。父もそうでした。 それを知っていたから、「一枚あったらいいな」と思って選びました。
つまり、うまくいった理由は上着だったからではありません。 その人がどう使うかを、考えて選んだからです。
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
この人はこういうことに興味があるから、贈ったらきっとこういう使い方をしてくれる。きっと喜んでくれる。
そう考えて選んだものは、たいてい大切にしてもらえます。 一生懸命考えて贈ったもの、これが大事なのだと思います。
欲しいものを、本人に聞いてもいい
じつは、わたしは本人に聞いてしまうこともあります。「何か欲しいものある?」と。
母のお祝いのときも、きょうだいで何を贈るか話し合いました。そのとき妹が、本人からさりげなく欲しいものを聞き出してきて、それを買いました。掃除機です。母は、今でも使ってくれています。
サプライズにならないから残念、と思われるかもしれません。 でも、使ってもらえないものを贈るより、ずっといいとわたしは思っています。
それに、聞いてみると意外なものが返ってくることがあります。 その返事自体が、今どんな暮らしをしているかを教えてくれます。
食べ物を贈るとき、先に確かめること
贈りもので多いのが食べ物です。形が残らないので気楽ですし、喜ばれやすいものでもあります。
ただ、80代になると、食べられるものが少しずつ変わっていきます。 選ぶ前に、次のあたりを確かめておくと安心です。
- 噛む力・飲み込みの様子……入れ歯が合っていないと、硬いものは残されます。おせんべい、ナッツ、餅などは、様子が分からないうちは避けたほうが無難です
- 小分けになっているか……ひとり暮らしや少食の方だと、大袋は食べきれずに残ります
- 日持ちするか……冷蔵庫がいっぱいで入らない、ということも実際にあります
- 持病はないか……糖尿病や腎臓の病気、血圧の薬を飲んでいる方は、食べるものに制限があることがあります
とくに最後の点は大事です。 食事の制限があるかどうかは、ご本人や主治医に確認してください。 良かれと思って贈ったものが、食べられないものだった、というのは避けたいところです。
餅や、飲み込みにくいものについては、誤嚥性肺炎を繰り返す親へ。家で「次の一回」を防ぐ視点でも触れています。
施設に差し入れしたい。迷惑になりませんか
親が施設やショートステイにいる場合、「持って行っていいのだろうか」と迷う方は多いです。
結論から言うと、多くの場合は大丈夫です。ただし、先に一言伝えてください。
食べ物は、ほとんどの施設で「ご家族と一緒に食べるのなら」と言われると思います。 面会のときに一緒に食べる、という形なら受け入れてもらえることが多いです。 逆に、置いていく形だと、管理の問題で断られることがあります。
刃物は、やめてください。 これは持ち込めません。
家電は、問題ないことが多いです。 ただし、相部屋の場合は置き場所が限られます。持ち込む前に、置き場所を相談してください。
そのほか、こまかいところですが、
- 名前を書く……施設では、洗濯物も持ち物も混ざります。衣類はとくに必要です
- 先に職員に伝える……冷蔵庫を使う、コンセントを使う、といったことは事前に相談しておくとスムーズです
施設ごとに決まりが違うので、まずは相談員や職員に聞いてしまうのがいちばん早いです。 「聞かれて迷惑」ということは、まずありません。
ひとつ、お伝えしたいことがあります。
わたしはショートステイで働いていたことがあります。面会に来られたご家族が帰ったあと、お部屋に花が置いてあることがありました。母の日のプレゼントです。
その花が、本人との会話のきっかけになります。どなたが持ってきたのか、どんなご家族なのか、そこから話が広がっていきます。そのときの笑顔は、今でも忘れられません。
ですので、迷惑ということはありません。持って行ったものが、家族が帰ったあとの時間を支えてくれることもあります。
買わない贈りもの
最後に、お金をかけない贈りものの話をします。
訪問していると、孫が書いた手紙や、あいうえお作文が額に入れて飾ってあるお宅を、たまに見かけます。 何年も飾られたままのこともあります。
じつは、うちにもあります。 子ども3人で文章を考えて、孫たちに書いてもらったものです。
こうしたものは、買ってきたものより長く残ることがあります。 その人のために作られたものだと、はっきり分かるからなのだと思います。
会いに行くこと、写真を送ること、電話を1本かけること。 どれも、贈りものになります。
まとめ
贈りものを選ぶ時間は、本当は楽しい時間だと思うのです。 あの人はこれをどう使うだろう、と考えているとき、こちらも少し楽しくなってきます。
その時間そのものが、もう贈りものになっています。 だから、完璧なものを探そうとしなくて大丈夫です。
ここまでの話を、1枚にまとめました。売り場で迷ったときや、ご家族で相談するときに使ってください。
なお、食事の制限や飲み込みのことなど、体の状態に関わることは、 最終的なご判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。
よくある質問
親が「何もいらない」と言います。それでも贈っていいですか?
はい、贈って大丈夫だと思います。「いらない」と言う方の多くは、気を遣わせたくない、お金を使わせたくない、という気持ちで言われています。 わたしの父も、「何か欲しいものある?」と聞くと「何もいらない」と言います。それでも贈った上着は、今でも大事に使ってくれています。 そういうときこそ、買わない贈りものも向いています。手紙、写真、会いに行くこと。受け取る側の負担が軽く、それでいて残ります。
欲しいものを聞いてしまうと、サプライズになりませんよね?
わたしは、聞いてしまってよいと思っています。使ってもらえないものを贈るより、ずっといいです。 それに、返ってきた答えから、今どんな暮らしをしているかが見えてきます。聞くことは、手抜きではありません。
施設にいる親に、食べ物を差し入れしたいのですが大丈夫でしょうか?
多くの施設では、ご家族と一緒に食べる形なら受け入れてもらえます。置いていく形だと断られることがあります。 飲み込みの状態によって食べられるものが変わりますので、持って行く前に、職員に一言相談してください。
敬老の日のほかに、贈るとよい機会はありますか?
還暦、金婚式、誕生日など、節目のお祝いがあります。うちも、還暦と金婚のときに贈りました。 ただ、節目でなくてもかまいません。なんでもない日に贈ってもいいと思っています。贈りたいと思ったとき、そのときがタイミングです。
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現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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