在宅介護 (2026年9月24日 更新)

介護保険サービスにはどんな種類があるの?在宅・通い・泊まりのちがい

介護保険サービスにはどんな種類があるの?在宅・通い・泊まりのちがい

「介護保険を使えることになったけど、何があるのか、さっぱりわからない」

「うちの親には、どれが合うんだろう」

介護保険のサービスは種類が多くて、パンフレットを見ても、名前が並んでいるだけで頭に入ってきません。

今日は、そのサービスを「家でやる・通う・泊まる・道具を借りる」の4つに分けて整理します。そのあとで、どんなときに何を組むのかも、実際の例でお話ししますね。

とも
とも
今日は「介護保険のサービスって、結局どんなものがあるの?」という、はじめての方が一番つまずく話を整理します。
こまり
こまり
介護保険って、こう、ホームに入るやつだけじゃないの?
とも
とも
そう思いがちなんだけど、実はぜんぜん違うんです。施設に入らずに、家にいながら使えるサービスがたくさんあります。

「介護保険サービス」と聞くと、施設に入ることをイメージする方が多いです。 でも実際には、住み慣れた家で暮らしながら使えるサービスがたくさんあります。

種類が多くて最初は混乱しやすいですが、「家でやる・通う・泊まる・道具を借りる」の4つ で整理すると、ぐっと分かりやすくなります。

家でやる「訪問系サービス」

自宅の居間で、訪問看護師と高齢の母、娘が話している場面

家でやるサービスは、担当の人が家に来てくれます。

本人が出かけなくていいので、外に出るのがむずかしい方でも使えます。住み慣れた家でそのまま受けられるので、本人の負担も少なくてすみます。

ただ、来てくれる人はサービスごとに違います。ヘルパーさん、看護師さん、リハビリの先生。できることも変わってきます。

サービス名どんな人が来る?主な内容
訪問介護ってなに?ヘルパーさんに頼めること・頼めないことヘルパー入浴・食事・排泄の介助、掃除・買い物
訪問看護って何をする人?訪問介護とのちがいと、頼むタイミング看護師体調管理、医療処置、薬の管理、医師との橋渡し
寝たきりでもお風呂に入れる。「訪問入浴」という選択肢介護職+看護師の3人チーム自宅に浴槽を持ち込んでお風呂
訪問リハビリって何をする?機能訓練との違いと利用のタイミング理学療法士など自宅でできるリハビリ
薬の管理、どうしてる?親の飲み忘れ・飲み過ぎを防ぐ工夫 居宅療養管理指導というサービスも有効医師・薬剤師・歯科衛生士など通院困難な方への定期訪問

各サービスについてはサービス名に詳しく書かれた記事のリンクを貼っておきます。気になるサービスはそちらをご覧ください。

こまり
こまり
家にお風呂を持ってきてくれるの!?
とも
とも
そう。組み立て式のお風呂を、その日のためだけに運んでくれます。寝たきりの方も入浴できる、すごいサービスです。

通う「通所系サービス」

通所の施設で、職員と一緒に体を動かす高齢の女性

通うサービスは、本人が施設に出かけていきます。

朝、家まで迎えに来てもらって、夕方に送ってもらう。その間に、お風呂に入り、食事をして、体を動かしたり、人と話したりして過ごします。

半日だけのところもあれば、朝から夕方までのところもあります。何をして過ごすかは、事業所によってかなり違います。

サービス名通称主な内容
デイサービスってどんなところ?費用、回数、行きたがらない親のことデイサービス入浴・食事・レクリエーション。半日〜1日
デイサービスとデイケア、何が違うの?目的で選ぶ通所サービスの話デイケアリハビリ中心。医療系職員(PT・OT)がいる
認知症対応型通所介護認知症デイ認知症の方専用の小規模デイ

通所系は、ご本人にとっては「外出の機会」「人と話す機会」になります。 そして ご家族にとっては「ひとりになれる時間」 にもなります。これも大事な目的の一つです。

泊まる「短期入所系サービス」

泊まるサービスは、施設に泊まって、その間の食事やお風呂、介護を受けられます。

数日だけのこともあれば、続けて泊まることもあります。

家族が旅行や冠婚葬祭で家を空けるとき、体調を崩したとき、そして「少し休みたい」というときにも使えます。

ただ、泊まる日は前もって予約します。使いたい日が決まっているなら、早めにケアマネジャーに伝えてください。

サービス名通称主な内容
ショートステイって何?家族が休むために使っていい介護サービスですショートステイ介護中心の宿泊。家族の休息にも
短期入所療養介護医療型ショート医療管理が必要な方向け
こまり
こまり
家族のために泊まりに行ってもらうって、なんだか申し訳ない気もしちゃう…。
とも
とも
その気持ちはとてもよく分かります。でも、家族がつぶれてしまうと、結局ご本人にしわ寄せが行きます。「休むためにあえて使う」のはむしろ正解です。

道具を借りる・買う・改修する

ここまでは、人に来てもらう・通う・泊まるという話でした。このほかに、道具や家そのものを整えるのにも介護保険が使えます。

体が動かしにくくなったとき、道具ひとつで暮らしが変わることがあります。ベッドから起き上がれるようになったり、ひとりでトイレに行けるようになったり。

借りるもの、買うもの、家を直すもの。この3つがあります。

サービス名何が使える?お金
福祉用具レンタル、何が借りられて月いくら?介護ベッドから車椅子まで介護ベッド、車いす、歩行器、手すり など毎月のレンタル代の1〜3割
特定福祉用具販売ポータブルトイレ、入浴用のいす など年10万円までは1〜3割
住宅改修手すりを付ける、段差をなくす、引き戸に変える など20万円までは1〜3割(原則1回)

気をつけたいのは、買うもの・家を直すものは、先に申請が要ることです。自分で買ってしまったあと、工事をしてしまったあとでは、お金が出ません。

「これを買いたい」「ここに手すりを付けたい」と思ったら、先にケアマネジャーに言ってください。

組み合わせて使うのが基本

これらのサービスは、通常は、組み合わせて使います。

たとえば、要介護2の方の典型的なサービスの組み合わせの例を紹介します。

  • 月曜・金曜:デイサービス(家族の仕事中に通ってもらう)
  • 月に数日:ショートステイ(家族の休息)
  • 水:訪問リハビリ(できることを保つ)

このように、ケアマネジャーが様々なサービスを組み立てて、いわゆる「ケアプラン」を作成してくれます。

こまり
こまり
なるほど。一つだけ使うんじゃなくて、いろいろ組み合わせるんだね。
とも
とも
そうです。ご本人の状態、家族の状況、住んでる地域、お金。それぞれに合わせて組み立てます。

こんなときは、こう組みます

よくある状況を4つ、実際にどう組むかをお話しします。

ちなみにこれらはわたしの経験から上げたもので、すべての方に当てはまるものではないので参考程度に。

寝たきりで、お風呂に入れてあげたい

お風呂は、デイサービスかショートステイで入ることをお勧めしています。これらの施設では特別浴槽と言って、寝たままでも入れる設備が整っています。

お身体の事情でどうしても出かけられない時は、訪問入浴(週1回くらい)。

ほかに、介護ベッド、エアマット、車いす、訪問看護、ヘルパー、訪問診療、訪問歯科など。外出する事ができない場合には訪問系のサービスが中心になります。

認知症で、日中ひとりにしておけない

認知症の程度にもよりますが、見守り、または、活動の場に出かけ刺激による症状の改善を期待してサービスを組み込むことが多いです。ですので、デイサービスを中心にサービスを組み立てます。家族が仕事でいない日は、週5日ということもあります。ただし、限度額と、払える金額によって変わります。

家にいる時間には、ヘルパーや配食で見守りサービスを入れることもあります。家族が休むために、ショートステイも併用します。

ショートステイは、環境が変わることで認知症が進むことがあるため、利用前にそのリスクもご家族にお伝えするようにしています。

転んで骨折。歩けるところまで戻したい

転倒の予防とお身体の機能の回復が主な目的となります。まず訪問リハビリ(週2くらいが目安)。自宅でのリハビリの中で、家の環境に慣れる、環境を整えるところから始めます。リハビリの先生のアドバイスをもとに、福祉用具や住宅改修などで生活する環境を整えていきます。

ある程度、体力が回復してきたら、通い(デイケア)に切り替えます。

まだ元気だけど、少し心配

介護保険のデイサービスではなく、市が行っている総合事業のデイサービスを使います。要介護の認定を受けていない方でも、お住まいの地域包括支援センターに相談すると利用できることがあります。ほかに、サロンなどの地域の通いの場もあります。

よくある誤解

「全部使うと月にとんでもないお金がかかる」

自己負担は1〜3割。要介護度ごとに使える上限額が決まっているので、青天井ではありません。 上限を超えると全額自己負担になるので、ケアマネジャーが上限内に収まるよう調整します。

「家にヘルパーが来ると家事を全部やってくれる」

訪問介護でやれるのは ご本人のための家事 だけ。家族の食事や掃除は対象外です。 「同居の家族がいる場合、生活援助は使えないことがある」というルールもあります。

「デイサービスはどれも同じ」

全然違います。リハビリ特化、レク重視、認知症専門、お風呂が広いところ、地域密着の小規模型。 見学2〜3か所 が、合うところを見つけるコツです。

「一度はじめたら、ずっとそのまま」

替えてもいいし、やめてもいいです。事業所を変えることも、回数を増やしたり減らしたりすることもできます。 合わないと感じたら、ケアマネジャーに言ってください。

まとめ

こまり
こまり
えーっと、整理すると…介護保険のサービスは、家でやるのと、通うのと、泊まるのと、道具を借りたり家を直したりするの。この4つを組み合わせて作るのがケアプランってこと。こんな感じ?
とも
とも
完璧です。これだけ覚えておけば、ケアマネジャーとの最初の打ち合わせで「何の話をされているか」が分かるはず。

最初は名前と種類の多さに圧倒されますが、整理すれば「家・通う・泊まる・道具」の4つだけ。

最終的にどれを使うかは、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。ご家族だけで「うちには何が合うか」を決める必要はありません。一緒に考えてくれる人がいます。

ここまでの話を、1枚にまとめました。印刷して手元に置いたり、ご家族で見ながら話すときに使ってください。

介護保険のサービスは「誰が動くか」で分かれます。家に人が来る(訪問介護・訪問看護・訪問入浴・訪問リハビリ・居宅療養管理指導)、本人が出かけてその日に帰る(デイサービス・デイケア)、本人が泊まって数日で帰る(ショートステイ)、家のほうを変える(福祉用具貸与・特定福祉用具販売・住宅改修)。どれをどう組み合わせるかは、担当のケアマネジャーと一緒に決められます

この図を保存する(印刷用)


よくある質問

とも
とも
最後に、よくいただく質問にいくつかお答えいたします。

認定の結果が出る前でも、サービスは使えますか?

申請してから結果が出るまでのあいだも、暫定のケアプランを作って使えることがあります。ただし、出た結果によっては自己負担が増えることもあります。始める前に、担当のケアマネジャー、またはお住まいの地域包括支援センターに相談してください。

事業所は自分で選べますか?

選べます。ケアマネジャーが候補をいくつか挙げますが、決めるのはご本人とご家族です。見学してから決めることもできますし、使いはじめてから合わないと感じたときに変えることもできます。

1〜3割の利用料のほかに、かかるお金はありますか?

あります。デイサービスの食事代、ショートステイの食費や部屋代などは介護保険の対象外で、実費がかかります。おむつ代は、ショートステイではかかりませんが、デイサービスでは実費です。金額は事業所によって違うので、契約の前に確認してください。

この記事が役に立ったら、ぽちっと教えてください

🐾
とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

この人について →

こちらもどうぞ