在宅介護

デイサービスとデイケア、何が違うの?目的で選ぶ通所サービスの話

デイサービスとデイケア、何が違うの?目的で選ぶ通所サービスの話

「デイサービスをお願いしようかと思っていたら、ケアマネさんに”デイケアという選択肢もありますよ”と言われた」

そんな場面で、頭の中に「?」が浮かんだ方は多いと思います。

どちらも日帰りで施設に通うサービス。名前も似ている。でも「別物」と言われると、どう違うのか、どちらが親に合っているのか、すぐには判断できませんよね。

今日は、デイサービスとデイケアの違いを、できるだけシンプルに整理していきます。

とも
とも
今日は「デイサービス」と「デイケア」の違いについてお話しします。ケアマネから両方を提案されて迷った、という声をよく聞くので、整理してみますね。
こまり
こまり
あれ、どっちも「日帰りで施設に通うやつ」じゃないの?何が違うの?
とも
とも
似てるんですよね、見た目は。でも「何を主役にしているか」がはっきり違います。ざっくり言うと、デイサービスは生活と交流が主役、デイケアはリハビリが主役です。
こまり
こまり
ふぅん。じゃあどっちが「すごい」とかじゃなくて、目的が違うってこと?
とも
とも
そうです、まさに。上下じゃなくて「目的で選ぶ」もの。それがこの記事のいちばん伝えたいことです。

デイサービス(通所介護)ってどんなところ?

デイサービスで職員と談笑する高齢女性

デイサービスの正式名称は「通所介護」といいます。

施設に日帰りで通い、その日の中でさまざまなサポートを受ける場所です。主なメニューはこんな感じです。

  • 入浴介助:自宅では難しいお風呂を、スタッフの手を借りて入れる
  • 食事の提供:昼食を食べながら、他の利用者さんと顔を合わせる
  • レクリエーション:体操、ゲーム、工作、歌など。季節の行事も多い
  • 機能訓練:日常動作の維持を目的とした軽い運動(施設によって内容が異なります)

ひとり暮らしや日中独居(家族が仕事に出ていて昼間ひとりになる方)が多い親御さんにとっては、「人と会える場所」「お風呂に安全に入れる場所」として、生活の安定に大きく役立ちます。

スタッフは介護職員が中心ですが、看護師や機能訓練指導員(リハビリ的な運動を担当する職員)が配置されている事業所もあります。
デイサービスでも機能訓練は行われますが、デイケアのように医師の関与のもとで専門的なリハビリを行うサービスとは、位置づけが異なります


デイケア(通所リハビリ)ってどんなところ?

理学療法士と歩行リハビリに取り組む高齢男性

デイケアの正式名称は「通所リハビリテーション」です。

こちらが大きく違うのは、医師やリハビリ専門職が関わりながら、リハビリ計画にもとづいて行われるという点です。デイサービスより、身体機能の維持・改善を専門的に目指す位置づけになります。

施設の形態は主に2種類あります。

  • 介護老人保健施設(老健)に併設されているタイプ
  • 病院・診療所に併設されているタイプ

リハビリを担当するのは、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といったリハビリ専門職です。

入院から退院した後に「歩く力をもう少し取り戻したい」「手の動きをリハビリしたい」「食べる・話す機能を維持したい」という場合に、医師の判断をベースに個別のリハビリプログラムが組まれます。

入浴や食事の提供があるところも多く、事業所によってはレクリエーションや行事を取り入れているところもあります。
ただし、デイサービスと比べると、リハビリを目的とした利用者が多く、身体機能の維持や改善を重視している点が特徴です。

また、デイケアは「機能を回復させる」ためだけのサービスではありません。年齢や病気で落ちやすい体の力を維持して、今の生活をできるだけ続けられるように支えることも、大切な役割です。

こまり
こまり
えっ、デイケアって医師も関わるんだ。なんか病院みたいだね。
とも
とも
そうなんです。施設の医師が関わって、リハビリの計画が立てられます。ただ、日々リハビリを担当してくれるのはPT・OT・STといった専門職。「医師とリハの専門職がチームで関わる」イメージが近いですね。

費用の違いはある?

どちらも介護保険が適用されるサービスです。
自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)です。

費用は、利用時間や要介護度、事業所ごとの加算などによって変わるため、一概にどちらが高いとは言えません。専門職がつくデイケアのほうが高くなることもあれば、利用時間や条件によっては逆のこともあります。

ただし「高いからデイサービス、安いからデイケア」という選び方は本末転倒になります。
費用は参考程度に、あくまで目的に合っているかを軸に選ぶのが基本です。

具体的な費用は、担当のケアマネジャーに確認してもらうのがいちばん確実です。


親の状態・目的で考える、選び方の目安

では、実際にどちらを選ぶかの判断軸をまとめます。

デイサービスが向いているケース

  • 一人でいる時間が長く、人と交流する機会を作りたい
  • 自宅での入浴が難しく、安全に入浴できる環境が必要
  • 認知症があり、見守りと生活のリズムを整えたい
  • 日常動作の大きな回復よりも、現状維持・安定した生活が目標

デイケアが向いているケース

  • 退院後などで歩行や日常動作の回復を目指したい
  • 脳卒中の後遺症など、専門的なリハビリが必要な状態にある
  • 言語・嚥下(えんげ:食べ物を飲み込む力)のリハビリが必要
  • 医師から「リハビリを続けてください」と言われている

ケース別:結局、うちの親はどっち?

迷ったときの早見です(あくまで目安。最終的には担当のケアマネジャーと相談してくださいね)。

  • 認知症がある/日中ひとりが心配デイサービス(人と関わり、生活のリズムを整える)
  • 退院したあとで、歩く・動かす力を取り戻したいデイケア(医師の関与のもと、専門職のリハビリ)
  • お風呂に安全に入れる場所がほしいデイサービス(入浴介助が中心メニューのひとつ)
  • 飲み込み(嚥下)や言葉のリハビリが必要デイケア(言語聴覚士〈ST〉がいるところを)
  • 交流もリハビリも、どちらもしたい組み合わせも可能(ケアマネがプランを組んでくれます)

ひとつ補足を。最近は、リハビリや機能訓練に力を入れた「機能訓練特化型」のデイサービスもあります。「リハビリしたい=かならずデイケア」とは限らないので、お住まいの地域にどんな事業所があるかは、ケアマネジャーに聞いてみると選択肢が広がります。

どちらか「正解」があるわけではなく、状態や目標によって変わります。また、デイサービスとデイケアを組み合わせて使う方もいます。週3回デイサービスに通いつつ、週1回デイケアでリハビリ、という使い方も珍しくありません。

デイサービスの選び方についてはこちらの記事もご参考にどうぞ。
デイサービスの選び方。見学のときに見るべき7つのポイント

こまり
こまり
なるほど! 組み合わせて使うこともできるんだね。デイサービスとデイケアって「どっちか選べ」じゃないのか。
とも
とも
そうなんです。介護保険には利用できる上限(支給限度額)がありますが、その範囲内であれば組み合わせることも可能です。「交流もしたいし、リハビリもしたい」という方には、両方使うプランをケアマネが組んでくれることもありますよ。

まとめ

こまり
こまり
じゃあこまりがまとめると。デイサービスは「生活と交流と入浴が中心」、デイケアは「医師やリハビリ専門職が関わるリハビリ中心のサービス」。どっちが上じゃなくて、目的で選ぶ。組み合わせもできる。こんな感じ?
とも
とも
完璧です。「リハビリを頑張りたい時期か、生活を安定させたい時期か」によって向き不向きが変わります。親御さんの今の状態と、これからどう過ごしてほしいかを考えると、自然と選びやすくなるはずです。

ケアマネに「デイケアもありますよ」と言われたとき、今日の記事が「あ、あの話か」と思い出せる引き出しになれば嬉しいです。

迷ったときは、担当のケアマネジャーに「うちの親はデイサービスとデイケア、どちらが合っていますか?」と率直に聞いてみてください。目的や状態を踏まえて、いっしょに考えてくれるはずです。

最終的なサービスの選択・利用については、担当のケアマネジャーや専門家にご相談のうえ、ご判断ください。

🐾
とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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