要介護認定の申請から認定まで、家族がやることをやさしく解説
親が急に弱った、退院後に動けなくなった、認知症の症状が出てきた——。そんなとき、家族はまず「どこに相談すればいいのか」「お金はどうなるのか」「サービスはどうやって使うのか」がわからなくて、立ち止まります。
その「最初の一歩」になるのが、要介護認定の申請です。
このページでは、申請から認定までの流れを、家族目線でやさしく整理します。
要介護認定って、ざっくり言うと?
「介護がどれくらい必要な状態か」を、住んでいる市町村が判定する制度です。
判定の結果は、軽いほうから順に、
- 自立(介護保険サービスは使えない)
- 要支援1〜2(少しサポートがあると安心なレベル)
- 要介護1〜5(日常生活にしっかり介護が必要なレベル)
の8段階に分かれます。
申請の場所は?
申請する正式な窓口は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口 です。
- 役所の「介護保険課」「高齢者福祉課」など、自治体によって名称はちがいます
「どう申請していいか分からない」「本人が動けない」「申請の前にちょっと相談したい」というときは、地域包括支援センター(中学校区にひとつあるイメージ)に 相談 してください。地域包括支援センターは 申請先ではなく相談先 ですが、
- 申請書のもらい方を教えてくれる
- 申請を代行してくれる(窓口に出すのを代わりにやってくれる)
- 認定後の動き方まで一緒に考えてくれる
など、申請の準備をまるごとサポートしてくれます。まず迷ったら、地域包括支援センターに電話で相談 から始めると安心です。
申請に持っていくもの
- 介護保険被保険者証(65歳になると市町村から送られてきます。色やデザインは自治体ごとに違います。65歳未満なら、医療保険の保険証)
- 主治医の情報(病院名・主治医名)
主治医の情報は、後で市町村が「主治医意見書」というのを取り寄せるのに使われます。かかりつけ医がいない場合は、申請前にひとつ決めておくとスムーズです。
申請から認定までの流れ
ざっくりこんな流れです。
- 申請(家族か本人が窓口へ。書類提出。代行もOK)
- 訪問調査(市町村の調査員が、本人の自宅を訪問して聞き取り。30分〜1時間)
- 主治医意見書(市町村が主治医に直接依頼。家族の手間はなし)
- 一次判定(コンピュータで仮の判定)
- 二次判定(介護認定審査会で最終判定)
- 結果通知(申請からだいたい 30日以内 に郵送で届く)
訪問調査のときに気をつけたいこと
ここがちょっと注意です。
訪問調査は、本人が「いつも通り」に答えてくれることが理想です。でも、本人は「しっかりしているところを見せたい」と気を張ってしまいがちで、実際よりも元気な様子で受け答えしてしまうことがよくあります。
その結果、本当はもっと介護が必要なのに、軽めの判定が出てしまう、というケースがあります。
家族がメモしておきたいのは、たとえばこんなこと。
- 食事はひとりで準備・摂取できているか
- お風呂はひとりで入れているか
- トイレの失敗が増えていないか
- 夜中に起きて動き回ることはないか
- 同じことを何度も言うか
- 火の始末は安全にできているか
- 薬は飲み忘れずに飲めているか
「ちゃんとできている」と本人が言っても、実際は違うことがよくあります。事実を冷静に書き出しておくと、調査員に正確に伝えやすくなります。
結果が出るまでにサービスは使える?
「申請してから結果が出るまで30日くらい」と聞くと、その間どうするのか心配になりますよね。
実は、申請日にさかのぼってサービスが使えるしくみになっています。
緊急性が高いとき(退院日が決まっている、すでに介護で家族が限界、など)は、暫定(ざんてい)ケアプラン という形で、認定結果を待たずに介護サービスを使い始めることができます。これは申請したときに地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すれば段取りしてもらえます。
結果に納得できないときは
判定結果が「自立」だったり、「要介護1だと思ったら要支援2だった」というように、家族の感覚と違うことがあります。
そのときは、不服申し立て または 区分変更申請 ができます。
- 不服申し立て:判定そのものをもう一度見直してもらう(都道府県の介護保険審査会へ)
- 区分変更申請:状態が変わったとして、もう一度申請し直す
実務的には、区分変更のほうが早く動くことが多いです。「最近もっと悪くなった」と感じたら、認定の有効期間中でも区分変更を申請できます。
認定の有効期間は?
最初の認定は 原則6か月(市町村の判断で3〜12か月の範囲で変動することがあります)。その後の更新は 原則12か月(3〜48か月の範囲)。期間が切れる前に「更新申請」の案内が市町村から届きます。
状態が変わったら、更新を待たずに区分変更を申請できます。
まとめ
①役所の介護保険窓口に申請(地域包括支援センターで相談・代行もOK)。
②書類を出して、訪問調査を受ける。
③だいたい30日で結果が届く。
④結果が出るまでもサービスは使えることがある。
⑤納得いかなかったら区分変更できる。
あってる?
介護は、いきなり全部を背負わなくて大丈夫です。要介護認定の申請という最初の一歩を踏み出すと、ケアマネジャーやヘルパーさんなど、力になってくれる人たちにつながっていきます。
その入口が、この申請です。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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