在宅介護

要介護認定の申請から認定まで、家族がやることをやさしく解説

要介護認定の申請から認定まで、家族がやることをやさしく解説
とも
とも
こんにちは。今日は「要介護認定の申請」についてお話しします。介護がはじまるとき、いちばん最初に出てくる手続きです。
こまり
こまり
ようかいにんてい?よ・う・か・い…って、なんか妖怪っぽいね。
とも
とも
妖怪じゃないよ。「要介護(ようかいご)認定」。介護がどのくらい必要かを、市町村が判定してくれるしくみです。これが出ないと、介護保険のサービスが使えないんです。

親が急に弱った、退院後に動けなくなった、認知症の症状が出てきた——。そんなとき、家族はまず「どこに相談すればいいのか」「お金はどうなるのか」「サービスはどうやって使うのか」がわからなくて、立ち止まります。

その「最初の一歩」になるのが、要介護認定の申請です。

このページでは、申請から認定までの流れを、家族目線でやさしく整理します。

要介護認定って、ざっくり言うと?

「介護がどれくらい必要な状態か」を、住んでいる市町村が判定する制度です。

判定の結果は、軽いほうから順に、

  • 自立(介護保険サービスは使えない)
  • 要支援1〜2(少しサポートがあると安心なレベル)
  • 要介護1〜5(日常生活にしっかり介護が必要なレベル)

の8段階に分かれます。

こまり
こまり
数字が大きいほうが、たいへんなの?
とも
とも
そうです。要介護5がいちばん介護が必要で、要支援1がいちばん軽い。判定によって、受けられるサービスの量と、自己負担の上限が変わります。

申請の場所は?

申請する正式な窓口は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口 です。

  • 役所の「介護保険課」「高齢者福祉課」など、自治体によって名称はちがいます

「どう申請していいか分からない」「本人が動けない」「申請の前にちょっと相談したい」というときは、地域包括支援センター(中学校区にひとつあるイメージ)に 相談 してください。地域包括支援センターは 申請先ではなく相談先 ですが、

  • 申請書のもらい方を教えてくれる
  • 申請を代行してくれる(窓口に出すのを代わりにやってくれる)
  • 認定後の動き方まで一緒に考えてくれる

など、申請の準備をまるごとサポートしてくれます。まず迷ったら、地域包括支援センターに電話で相談 から始めると安心です。

申請に持っていくもの

  • 介護保険被保険者証(65歳になると市町村から送られてきます。色やデザインは自治体ごとに違います。65歳未満なら、医療保険の保険証)
  • 主治医の情報(病院名・主治医名)

主治医の情報は、後で市町村が「主治医意見書」というのを取り寄せるのに使われます。かかりつけ医がいない場合は、申請前にひとつ決めておくとスムーズです。

こまり
こまり
本人が窓口に行けないときはどうするの?
とも
とも
家族が代行で申請できます。本人の同意があれば大丈夫。家族がいないときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに代行をお願いすることもできます。

申請から認定までの流れ

ざっくりこんな流れです。

  1. 申請(家族か本人が窓口へ。書類提出。代行もOK)
  2. 訪問調査(市町村の調査員が、本人の自宅を訪問して聞き取り。30分〜1時間)
  3. 主治医意見書(市町村が主治医に直接依頼。家族の手間はなし)
  4. 一次判定(コンピュータで仮の判定)
  5. 二次判定(介護認定審査会で最終判定)
  6. 結果通知(申請からだいたい 30日以内 に郵送で届く)

訪問調査のときに気をつけたいこと

ここがちょっと注意です。

訪問調査は、本人が「いつも通り」に答えてくれることが理想です。でも、本人は「しっかりしているところを見せたい」と気を張ってしまいがちで、実際よりも元気な様子で受け答えしてしまうことがよくあります。

その結果、本当はもっと介護が必要なのに、軽めの判定が出てしまう、というケースがあります。

こまり
こまり
そういうとき、家族はどうしたらいいの?
とも
とも
調査のときは家族が同席することをおすすめします。本人の前で言いにくいことは、メモを渡したり、調査員に後で電話で伝えたりしてもOKです。

家族がメモしておきたいのは、たとえばこんなこと。

  • 食事はひとりで準備・摂取できているか
  • お風呂はひとりで入れているか
  • トイレの失敗が増えていないか
  • 夜中に起きて動き回ることはないか
  • 同じことを何度も言うか
  • 火の始末は安全にできているか
  • 薬は飲み忘れずに飲めているか

「ちゃんとできている」と本人が言っても、実際は違うことがよくあります。事実を冷静に書き出しておくと、調査員に正確に伝えやすくなります。

結果が出るまでにサービスは使える?

「申請してから結果が出るまで30日くらい」と聞くと、その間どうするのか心配になりますよね。

実は、申請日にさかのぼってサービスが使えるしくみになっています。

緊急性が高いとき(退院日が決まっている、すでに介護で家族が限界、など)は、暫定(ざんてい)ケアプラン という形で、認定結果を待たずに介護サービスを使い始めることができます。これは申請したときに地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すれば段取りしてもらえます。

結果に納得できないときは

判定結果が「自立」だったり、「要介護1だと思ったら要支援2だった」というように、家族の感覚と違うことがあります。

そのときは、不服申し立て または 区分変更申請 ができます。

  • 不服申し立て:判定そのものをもう一度見直してもらう(都道府県の介護保険審査会へ)
  • 区分変更申請:状態が変わったとして、もう一度申請し直す

実務的には、区分変更のほうが早く動くことが多いです。「最近もっと悪くなった」と感じたら、認定の有効期間中でも区分変更を申請できます。

認定の有効期間は?

最初の認定は 原則6か月(市町村の判断で3〜12か月の範囲で変動することがあります)。その後の更新は 原則12か月(3〜48か月の範囲)。期間が切れる前に「更新申請」の案内が市町村から届きます。

状態が変わったら、更新を待たずに区分変更を申請できます。

まとめ

こまり
こまり
えーっと、つまり。
①役所の介護保険窓口に申請(地域包括支援センターで相談・代行もOK)。
②書類を出して、訪問調査を受ける。
③だいたい30日で結果が届く。
④結果が出るまでもサービスは使えることがある。
⑤納得いかなかったら区分変更できる。
あってる?
とも
とも
完璧です。申請に迷ったら、まず地域包括支援センターに電話で 相談 するところから。市役所で住所と本人の年齢を伝えれば、近くのセンターを教えてくれます。

介護は、いきなり全部を背負わなくて大丈夫です。要介護認定の申請という最初の一歩を踏み出すと、ケアマネジャーやヘルパーさんなど、力になってくれる人たちにつながっていきます。

その入口が、この申請です。

🐾
とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

この人について →

こちらもどうぞ