「要支援」と「要介護」って何が違う?認定結果の見方をやさしく解説
封筒を開けたら「要支援2」と書いてあった。 「要介護」じゃなかったけど、これって大丈夫なの? 何が使えるの?
認定結果を初めて受け取ったとき、そんなふうに戸惑う方はとても多いです。 今日は「要支援」と「要介護」の違いを、なるべくシンプルに整理していきます。 難しい制度の話ですが、こまりと一緒にひとつずつ確認していきましょう。
まず「7段階」があることを知っておく
介護認定の結果は、要支援1・2と要介護1〜5の合計7段階に分かれています。
ざっくり言うと、こんなイメージです。
| 区分 | 状態のめやす |
|---|---|
| 要支援1 | 日常のほとんどは自分でできるが、一部に手助けが必要 |
| 要支援2 | 要支援1よりやや手助けが必要な状態 |
| 要介護1 | 立ち上がり・歩行が不安定で、排せつ・入浴に一部介助が必要 |
| 要介護2 | 要介護1よりさらに介助が必要な状態 |
| 要介護3 | 排せつ・入浴・着替えなどに全面的な介助が必要 |
| 要介護4 | 日常生活全般に介助が必要で、自立はかなり難しい |
| 要介護5 | ほぼすべての日常動作に介助が必要。意思疎通も困難なことも |
数字が大きいほど、手助けが必要な場面が増えていく、と考えるとイメージしやすいと思います。
ただ、この区分は「病気の重さ」だけで決まるわけではありません。実際には、毎日の暮らしの中でどれくらい介護の手間がかかるかを、いろいろな角度から見て決まります。だから、同じような体の状態でも区分が違うことはよくあるんですよ。あくまで「めやす」として見てくださいね。
なかでも「要支援2」と「要介護1」は、状態がとても近い隣どうしです。どちらに認定されるかで、使えるサービスの入口が変わるのがポイント。「要介護のほうが重い」というより、「入口が違う」と考えると、しっくりきます。
「要支援」と「要介護」、いちばん大きな違いは何?
要支援は「今の元気を、長く保つ」段階
要支援は、「介護予防」が中心の段階です。今できていることを、できるだけ長く続けられるように支える——そんな考え方でサービスが組み立てられています。
たとえば、
- 週1〜2回、通って体を動かすデイサービス
- ヘルパーが家事などを手伝ってくれる訪問のサービス
- リハビリの専門職が自宅に来てくれる訪問リハビリ
こうしたものを組み合わせて使います。要支援の方が使う通いや訪問は、市区町村が運営する「総合事業」として提供されることが多く、呼び名や中身は地域によって少しずつ違います。「うちの地域にはどんなメニューがあるんだろう?」と思ったら、次にお話しする窓口でたずねてみてください。
その相談窓口が「地域包括支援センター」です。高齢者の暮らしのことを、なんでも無料で相談できる地域の窓口で、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーがいます。要支援の方のケアプラン(どのサービスをどう使うかの計画)も、ここで作ってもらえます。近くの居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、地域包括からの依頼で作ってくれることもありますよ。
要介護は「日々の介助を、しっかり支える」段階
要介護になると、毎日の暮らしの中で介助が必要な場面が増えてきます。そのぶん、訪問介護やデイサービスといったサービスを、必要な量だけしっかり使えるようになります。
自宅で暮らしながらサービスを使うときの相談窓口は、居宅介護支援事業所の「ケアマネジャー」です。一人ひとりの状態に合ったケアプランを作り、サービス事業者との調整もしてくれます。
要介護が進むと、施設で暮らすという選択肢も出てきます。たとえば特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の方が入所の対象です。施設に入ったあとの計画づくりは、その施設のケアマネジャーが担当するので、相談する相手も変わります。
ケアマネジャーの役割についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。 → ケアマネジャーって何をしてくれる人?はじめての相談の前に知っておきたいこと
使える量(支給限度額)も区分によって違う
支給限度額の範囲内なら、かかった費用の1〜3割を自己負担すればサービスを使えます。残りは介護保険がまかなってくれます。限度額を超えて使った分は、全額が自己負担になります。
では、自分は1割なのか2割なのか。これは所得や世帯の状況によって変わります。ご自身がどの割合かは、毎年市区町村から届く「負担割合証」という書類で確認できます。介護認定の通知とは別に届くこともあるので、見当たらないときは、市区町村の窓口にたずねてみてくださいね。
ポイントをまとめると:
- 要支援1〜2:支給限度額は比較的少なめ。介護予防が中心。
- 要介護1〜5:数字が上がるほど限度額が増え、使えるサービスの幅も広がる。
ただし「限度額いっぱいまで使わなければならない」ということはありません。 必要な量だけ使う、でOKです。
認定結果に納得できないときは
認定結果は、あくまで調査時点の状態をもとに判定されます。 体調の変化や、調査で十分に状況が伝わらなかった場合などは、担当窓口に相談してみてください。
「更新」や「区分変更」のしくみについては、親の介護度って変えられるの?要介護認定の「更新」と「区分変更」でくわしく紹介しています。
まとめ:認定結果の意味と、次の一歩
・要支援1〜2 → 自立を支える段階。相談先は地域包括支援センター
・要介護1〜5 → 介助が必要な段階。相談先はケアマネジャー
・使えるサービスの種類と量が、区分によって違う
・納得できないときは相談・申し立てができる
認定結果の通知には、区分・有効期間・担当窓口が書かれています。 「要支援」なら地域包括支援センターへ、「要介護」なら居宅介護支援事業所(ケアマネ)へ、と覚えておくだけで大丈夫です。
どちらの場合も、「何から始めればいい?」と聞けば、専門家が一緒に考えてくれます。一人で抱え込まなくて大丈夫ですよ。
それから、もうひとつ大切なことを。とくに「要支援」で受けられるサービスは、その名のとおり「介護予防」——今できていることを保って、介護が必要な状態になるのを防いだり、進むのをゆるやかにしたりすることを目指すものです。
だから「要支援だから軽い」「まだ大丈夫」と様子を見すぎず、その人に合った支援を早めに受けはじめることが、結果として今の暮らしを長く続けることにつながります。気になったら、早めに窓口をたずねてみてくださいね。
そして最後に。認定を受けて「自分は介護を受ける立場になったんだ」と、ご本人の気持ちが少し沈んでしまうこともあります。でも、どうか気負いすぎないでください。支援を借りることは、弱さでも特別なことでもなく、これからもその人らしく暮らしていくための、ごく自然な一歩です。
ご注意:要支援・要介護の区分や使えるサービス・支給限度額は、制度改正や自治体の状況によって変わることがあります。 記事の内容はあくまで参考情報です。具体的な利用については、担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センターにご相談ください。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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