訪問介護ってなに?ヘルパーさんに頼めること・頼めないこと
訪問介護とは?まず全体像をつかもう
訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅を訪ねて、日常生活のサポートをしてくれるサービスです。介護保険が使えるので、要介護1〜5の認定を受けた方が対象になります(要支援の方は「介護予防・生活支援サービス」という別の仕組みになります)。
1回の訪問は30分〜1時間程度のことが多く、週に何回来てもらうかはケアプラン(介護の計画書)で決めます。
サービスの中身は、大きく2種類に分かれます。
- 身体介護:体に直接かかわるサポート(入浴・排せつ・食事の介助など)
- 生活援助:家事のサポート(料理・掃除・洗濯・買い物など)
それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。
身体介護でできること
身体介護は、利用者さんの体に触れて行う介助が中心です。
- 食事の介助:食べるのが難しくなった方への食事サポート
- 入浴介助:浴槽への移動、体を洗う、着替えのサポート
- 排せつ介助:トイレへの移動、おむつの交換など
- 移動・移乗の介助:ベッドから車いすへの移乗、歩行のサポート
- 服薬介助:薬を飲む際の確認や手伝い(医療行為ではないもの)
- 体の清拭(せいしき):入浴ができないときに体を拭くケア
これらは、家族がひとりで担うと毎日かなりの体力と時間が必要です。週に何回かヘルパーさんに入ってもらうだけで、家族の負担がずいぶん変わります。
生活援助でできること
生活援助では、こんなことをお願いできます。
- 掃除:居室・台所・トイレなど、生活スペースの掃除
- 洗濯:衣類の洗濯・干し・取り込み・たたみ
- 調理:食事の準備・配膳・後片付け
- 買い物:日用品・食料品の買い出し(代行)
ただし、生活援助には「できないこと」があります。これが少しわかりにくいポイントです。
生活援助は、あくまで「利用者さん本人のための生活に必要なこと」が対象です。たとえば、同居している家族の分の料理や洗濯、家全体の大掃除、ペットの世話、庭の草むしりなどは対象外になります。
「せっかく来てもらうんだから、ついでに…」とお願いしたくなる気持ちはよくわかりますが、ヘルパーさんもルールのなかで動いているので、あらかじめ知っておくと双方が気持ちよく関われます。
気になる「医療行為」との境界線
よく相談を受けるのが、「薬の管理をお願いできる?」「血圧を測ってほしい」「傷の手当てもしてもらえる?」といった話です。
ホームヘルパーができるのは、医療行為ではないものに限られています。たとえば、薬を手渡す・飲んだかを確認する、体温や血圧を測る(機器を使って)、市販の湿布を貼る、といった行為は認められています。
一方で、傷の処置、インスリン注射、経管栄養(チューブを使った栄養補給)などは医療職が行うもの。ヘルパーさんには頼めません。この場合は、訪問看護(看護師が自宅に来るサービス)と組み合わせることを考えます。
「どこまでが医療行為?」の線引きは少し複雑なので、ケアマネジャーに確認しながら進めるのが安心です。
「家に他人が来る」ことへの不安は、当然のこと
はじめて訪問介護を利用する方やご家族から、よくこんな声を聞きます。
「親が嫌がるんじゃないかと思って…」「家の中を見られるのが恥ずかしい」「どんな人が来るかわからなくて怖い」
これ、すごく自然な気持ちだと思います。自分の家に、毎週見知らぬ人が来る。慣れるまでは落ち着かないですよね。
担当のヘルパーさんは、事業所から派遣されます。最初のうちは同じ人が担当してくれるよう配慮してもらうことも多いですし、相性が合わない場合は変えてもらえることもあります。まず「顔合わせ」として、ケアマネジャーも一緒に同席してくれることが多いので、不安があれば遠慮なく伝えてみてください。
まとめ:「まず試してみる」がいちばんの近道
訪問介護は、在宅介護を続けていくうえで大きな力になるサービスです。
- 身体介護:体に直接かかわるお世話(入浴・排せつ・食事など)
- 生活援助:日常の家事サポート(掃除・洗濯・調理・買い物など)
- 医療行為は対象外:必要な場合は訪問看護との組み合わせを検討
- 家族の分の家事や、家全体の大掃除などは対象外
「こんなこと頼んでいいのかな」と迷うことがあれば、担当のケアマネジャーに相談してみてください。「できること・できないこと」を整理して、いちばん合う使い方を一緒に考えてくれます。
最終的なご判断や具体的な手配については、担当のケアマネジャーや訪問介護事業所の専門家にご相談ください。記事はあくまで参考情報として活用していただければうれしいです。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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