こまり日記

こまりの歯のはなし。マンチカンと、治療しないという選択

こまりの歯のはなし。マンチカンと、治療しないという選択
とも
とも
今日は、こまりのお口のお話。実はうちの子、ちょっと変わった事情を抱えています。
こまり
こまり
え、わたしのお口の話?べつにふつうだよ?ごはんもおいしく食べてるし。
とも
とも
そう、ごはんは全然問題なくモリモリ食べてる。でも、よく見ると左下の歯がね、口の中にうまくしまえてないんです。

マンチカンを家に迎えてから、わたしは初めて知ったことがあります。

それは、マンチカンという猫種は、近親交配で生まれてくる ということでした。

足が短くてよちよち歩くあの愛らしい姿は、もともと自然発生した突然変異の遺伝子を、人間が掛け合わせて固定化したもの。つまり、ヒトの「足の短いかわいい猫がほしい」という願望のために、生まれ続けてきた猫種なんです。

その結果として、マンチカンには 骨格や歯並びに「ちょっと変なところ」が出やすい とも言われています。

こまりの口の中

うちのこまりは、生後数か月のとき、獣医さんに歯を診てもらいました。

そこで分かったのは、顎が変形していて、左下の歯が口の中にうまく収まっていない、ということ。

こまり
こまり
え、わたしの歯、ヘンなの?
とも
とも
ヘンっていうか、ちょっと個性的。でも食べるのには問題ない、って先生も言ってた。

食事に支障はありません。 ドライフードも、ちゅーるも、いつも全力で食べに来ます。

ただ、口を閉じた状態でも、左下の歯がちょっとだけ見えていることがある。それは正直、人間目線で「不便そう」に見えたんです。

「矯正」の選択肢

獣医さんに、選択肢を聞きました。

猫の歯の矯正は、人間ほどシンプルじゃありません。

  • ワイヤーをつける矯正は、口に違和感が出るし、ストレスがすごい
  • 食事は経管栄養(鼻や食道にチューブを通して栄養を入れる方法)に切り替える必要がある場合がある
  • 矯正のあいだは、当然「噛む楽しみ」は奪われる
  • それでも、想定通りに歯が動くとは限らない

聞いて、わたしは黙ってしまいました。

ただでさえ食いしん坊なこの子から、食べる楽しみを取り上げる選択。 想定通りにいかなかったら、それは何のためだったのか分からなくなる選択。

こまり
こまり
えっ、ちゅーる、食べられなくなるの?
とも
とも
だから、しないことにしたの。

「治療しない」という選択

家族で話し合って、決めました。

矯正はしない。このままで。

理由はシンプルです。

  • 食事に問題が出ていない
  • 痛みも感じていない
  • 命にも関わらない
  • それでも矯正で「食べる楽しみ」を奪うのは、こまりにとっての幸せから遠ざかる

「治療しない」って、なんだか後ろ向きに聞こえるかもしれません。 でも、わたしはこれを 積極的な選択 だと思っています。

困っていないのだから、人間の見た目の都合で治そうとしない。 できることがあっても、しないという選択をする。

これは、介護の現場でも何度か出会ってきた考え方と、ちょっと似ているなと思いました。

介護の話と、ちょっと重なる

たとえば、認知症のあるご利用者さんで、ご家族が「もっと活動的にさせたい」と望むことがあります。

でも、本人は静かに過ごしたい。お茶を飲んで、テレビを見て、うとうとしたい。

「治す」ことや「改善する」ことを目指しすぎると、その人らしい時間を奪ってしまうことがあります。

困っていないことを、無理に変えない。 できることがあっても、その人が望まないならしない。

これも、立派な選択です。

こまり
こまり
つまり、わたしのお口はわたしのままでいい、ってこと?
とも
とも
そういうこと。ちょっと歯がはみ出てるところも、こまりの一部だよ。

マンチカンを迎える前に、知ってほしいこと

最後に、ひとつだけ書かせてください。

マンチカンは、本当にかわいい猫種です。足が短くて、よちよち走って、踏み台がないとテーブルに登れない。動きが不器用で、それがたまらなく愛しい。

でも、その「かわいさ」は、人間が遺伝子を掛け合わせて作ってきた結果 でもあります。

これからマンチカンを迎えようと思う方には、ぜひ知っておいてほしいです。

  • 骨格や歯並びに、人より「変なところ」が出やすい個体がいる
  • 生涯にわたって獣医さんとの付き合いが必要になることもある
  • 「治療する/しない」の選択を、家族で迫られる場面が来るかもしれない

そのうえで、その子と一緒に暮らすことを選ぶなら、最後まで一緒に。

これは、犬でも猫でも、人間の家族でも、同じだと思います。

おわりに

うちのこまりは、今日も口の左下から少しだけ歯をのぞかせながら、ごはんを食べて、爆走して、お腹を上にして寝ています。

それでいい。 家族が選んだ「このまま」を、こまりは満喫してくれている気がします。

こまり
こまり
わたし、このままでいいんだって。よかった。じゃあちゅーる、ちょうだい。
とも
とも
結局そこか。今日は特別に1本多めだね。

ペットの治療の選択は、家族の状況やその子の体調、専門家のアドバイスによって変わります。
最終的なご判断は、信頼できる獣医師にご相談のうえ、その子にとって何がいちばんいいかを家族で話し合ってください。

― ✨ 最後まで読んでくれてありがとう ✨ ―
こまり
こまりより
🐾
とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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