親のかかりつけ医、どう選ぶ?介護がはじまる前に知っておきたいこと
「親の病院、いくつも行ってるけど、どこが『主治医』なんだろう?」 「介護がはじまったら、お医者さんとどう関わればいいの?」
こんなふうに戸惑う家族の方は、実はとても多いです。 かかりつけ医は、介護の場面でも大きな役割を担います。 今日は「かかりつけ医の選び方と、介護との関わり方」についてやさしく整理しますね。
そもそも「かかりつけ医」って何?
「かかりつけ医」とは、身近にいて、なんでも相談できるお医者さんのことです。 法律で定義されているわけではありませんが、厚生労働省などでは「身近な場所で、日常的な医療から専門的な医療機関への紹介まで担う医師」と説明されています。
内科・整形外科・眼科など、複数の科にかかっている高齢の方の場合、「全体をまとめて見てくれる人がいない」という状態になりがちです。
介護が必要になると、薬の調整、体調の把握、訪問診療への移行など、医療と介護が連携する場面が増えてきます。そのとき「話が通じていて、信頼できるかかりつけ医がいる」かどうかが、大きく影響してくるんです。
実際には、介護が始まってから慌てて探すよりも、元気なうちから相談できる医師との関係を作っておく方がスムーズです。
かかりつけ医を選ぶときのポイント
1. 相談しやすいかどうか
技術や設備も大切ですが、長く相談できる関係を築けるかどうかも大切なポイントです。
- 家族の話もちゃんと聞いてくれるか
- わからないことを質問したとき、丁寧に答えてくれるか
- 「この先どうなるか」を一緒に考えてくれる姿勢があるか
受診のたびに「時間がなくて聞けなかった…」となりやすい先生だと、介護が進むほど困ってしまいます。
2. 自宅から通いやすい場所にあるか
介護が必要になると、本人が一人で病院に行けなくなることがあります。 家族が付き添うことを考えると、自宅から近い、あるいはアクセスしやすい場所の方が負担は少ないです。
また、「状態が急変したとき電話できる」「往診や訪問診療(自宅に来てくれる診察)を相談できる」かどうかも、確認しておけると安心です。
3. ケアマネや他の医療機関と連携してくれるか
介護保険のサービスを使い始めると、ケアマネジャー(介護サービスの調整役)との連携が必要になる場面があります。 たとえば、主治医意見書(要介護認定の際に必要な書類)はかかりつけ医に書いてもらうものです。
「連携に積極的な先生かどうか」も、長い目で見て大切なポイントです。
「主治医意見書」ってなに?
主治医意見書は、かかりつけ医に依頼する形になります。 「初めて来た患者さんにはすぐ書けない」という先生もいるので、できれば介護が本格化する前から、継続的に診てもらっている先生がいると安心です。
通院がむずかしくなったら「訪問診療」という選択肢も
病状が進んだり、外出が難しくなってきたりした場合、訪問診療(自宅に来てもらう定期的な診察)に切り替えることができます。 かかりつけ医が訪問診療に対応していれば、そのままスムーズに移行できます。
対応していない場合は、「訪問診療専門のクリニック」に紹介してもらうこともできますので、かかりつけ医に相談してみてください。
まとめ:今のうちに「話せる医師」をみつけておく
かかりつけ医を選ぶときに押さえておきたいことを整理します。
- 話しやすく、家族の相談も聞いてくれる先生かどうか
- 自宅から通いやすい場所にあるか
- ケアマネなど他の専門職と連携してくれる姿勢があるか
- 将来的に訪問診療への移行を相談できるか
今すぐ完璧なかかりつけ医を見つけなければ、ということはありません。 「親と一緒に近所のクリニックに行ってみる」くらいのひと歩きから、はじめてみてください。「まだ介護は必要ないから」と思っている時期こそ、かかりつけ医について考える良いタイミングかもしれません。
かかりつけ医の選び方や、訪問診療への移行についての具体的なご相談は、担当のケアマネジャーや、地域包括支援センター(地域の介護相談窓口)にも気軽に聞いてみてください。 「どのクリニックがうちの地域で訪問診療をしているか」なども、ケアマネが情報を持っていることがあります。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
この人について →