在宅介護

親のかかりつけ薬局、決めていますか?お薬手帳と在宅医療との連携

親のかかりつけ薬局、決めていますか?お薬手帳と在宅医療との連携

「お父さん、ここの病院の薬はここ、あそこの病院の薬はあの薬局で…」

複数の病院にかかっていると、薬をもらう薬局もバラバラになりがちですよね。 でも、それが思わぬリスクにつながることがあります。

介護が始まると、薬のことは家族がフォローしなければいけない場面も増えてきます。 今日は「かかりつけ薬局」について、役割から選び方まで、やさしく整理していきます。


とも
とも
今日は「かかりつけ薬局」の話をしようと思います。かかりつけ医(いつも診てもらうお医者さん)の話は聞いたことがある方も多いと思うんですが、薬局も「かかりつけ」を持つのが大事なんですよね。
こまり
こまり
薬局って、どこで出してもらっても同じじゃないの?病院の近くにあるのを選んでた気がする。
とも
とも
実はそこが大事なポイントで。薬局をひとつに絞ると、すべての薬の情報が一か所に集まるんです。複数の病院からもらった薬を、まとめてチェックしてもらえるようになります。
こまり
こまり
えっ、バラバラだとチェックしてもらえないの?
とも
とも
薬局は基本的に、その薬局でもらった薬の情報しか持っていないので、他の病院で出してもらった薬は見えないことが多いんですよね。これを「薬の一元管理ができていない」状態と言います。一か所に集まっていれば、飲み合わせが悪い薬(相互作用といいます)がないか、重複していないかを薬剤師さんが確認しやすくなります。

かかりつけ薬局ができること

薬局で薬剤師と話す親子

薬の一元管理と相互作用チェック

相互作用(そうごさよう)とは、ふたつ以上の薬を一緒に飲むと、効きすぎたり、逆に効かなくなったりする現象のことです。

たとえば、高血圧の薬・血をサラサラにする薬・胃薬・骨粗しょう症の薬…。あちこちの病院に通っているうちに、気づけば10種類以上の薬を飲んでいた——ケアマネジャーとして働いていると、そういう方に本当によく出会います。 それだけの薬が複数の病院からバラバラに出されていると、全体を見渡す人がいなくなってしまいます。

かかりつけ薬局にまとめることで、薬剤師さんが処方の全体像を把握して、気になる点があれば医師に問い合わせてくれることもあります。

お薬手帳をフル活用できる

母娘が薬手帳を一緒に確認する穏やかなシーン

お薬手帳は、もらった薬の記録を貼り付けるための手帳です。 救急搬送されたときや、かかりつけ以外の病院を受診したときに「今どんな薬を飲んでいるか」を素早く伝えられます。

一か所の薬局に通い続けていると、お薬手帳の履歴もきれいに積み重なっていきます。 最近はアプリのお薬手帳もありますが、紙でも十分機能します。親御さんのカバンに1冊入れておくのがおすすめです。

こまり
こまり
つまり、お薬手帳って「この人の薬の履歴書」みたいなものなんだね。救急のときにも役立つのか。
とも
とも
そうです、まさに。「どんな薬を飲んでいるか」は医療現場にとってとても大切な情報なので、1冊持っているだけで、いざというときに家族が焦らずに済むことが多いんです。実は、わたしたちケアマネジャーもご自宅に伺ったときには、お薬手帳を必ず確認させてもらっています。だから、カバンの中や電話のそばなど「すぐ出せる場所」を決めておくのがおすすめですよ。

「飲み間違えた」「飲み忘れた」も相談できる

薬のことで、こんな場面はありませんか。

  • 「間違えて2回分飲んでしまったみたい。どうしよう」
  • 「飲み忘れに気づいたけど、今から飲んでいいの?」

こういう「病院に電話するほどではないけれど、不安…」という困りごとも、かかりつけ薬局に電話すれば、薬剤師さんが対処のしかたを教えてくれます。顔なじみの薬局なら、飲んでいる薬を把握したうえで答えてもらえるので、なおさら安心です。

そして、飲む薬の種類が多い方には一包化(いっぽうか)という方法もあります。「朝食後の分」「夕食後の分」というように、1回に飲む薬をまとめて1つの袋にしてくれるもので、袋に日付や名前を印字してもらえることもあります。飲み間違いや飲み忘れの心配が、ぐっと減ります。

こまり
こまり
1回分ずつ袋にまとめてくれるんだ!それなら、どれをいつ飲むか迷わなくてすむね。
とも
とも
そうなんです。飲む薬が多い方ほど助かる工夫です。気になったら、薬局で「一包化ってできますか?」と聞いてみてください。

薬の飲み忘れ・飲み過ぎを防ぐ家庭での工夫は、薬の管理、どうしてる?親の飲み忘れ・飲み過ぎを防ぐ工夫の記事でも詳しく紹介しています。


在宅医療・訪問薬剤師との連携

自宅で訪問薬剤師から説明を受ける高齢女性

介護が進んで、病院への通院が難しくなってきたとき。 かかりつけ薬局があると、訪問薬剤師(自宅に薬を届けてくれる薬剤師さん)の手配がスムーズになります。

訪問薬剤師は、薬を届けるだけでなく、

  • 薬の飲み方を本人や家族に説明する
  • 飲み残しや飲み忘れの状況を確認する
  • 薬の保管状況を確認する
  • 在宅のお医者さん(訪問診療医)と情報を共有する

といったことをしてくれます。 これは居宅療養管理指導(きょたくりょうようかんりしどう)という介護保険のサービスとして提供されることもあります。

訪問診療・訪問看護・訪問薬剤師が連携すると、自宅でも安心して薬を管理できる環境に近づきます。

こまり
こまり
薬剤師さんって、薬局でわたすだけじゃなくて家まで来てくれることもあるの?それは知らなかった。
とも
とも
そうなんです。すべての薬局が訪問に対応しているわけではないので、「将来的に通院が難しくなるかもしれない」と思ったら、今のうちに薬局に「訪問対応はありますか?」と聞いておくといいですよ。

かかりつけ薬局の選び方

では、どうやって選べばいいのでしょうか。いくつかのポイントを挙げます。

「病院の隣の調剤薬局」が必ずしもベストではない

「処方箋(病院でもらう薬の指示書)を出してくれた病院の並びの薬局」を使うのが手軽ですが、複数の病院にかかっているなら、自宅から一番通いやすい薬局対応が丁寧と感じる薬局を選ぶほうが長く続けやすいです。

「門前薬局」(病院のすぐそばにある薬局)と「かかりつけ薬局」は別の概念です。 どの病院の処方箋でも受け付けてくれる薬局はたくさんあります。

確認しておくと安心なこと

  • 複数の病院の処方箋を受け付けてくれるか(ほとんどの薬局はOK)
  • 相談しやすい薬剤師さんがいるか(顔なじみになれるかどうか)
  • 訪問対応があるか(将来のことを見越して)
  • 夜間・休日の連絡体制はあるか(薬のトラブル時に相談できるか)

「相談しやすい雰囲気かどうか」は、意外と大切なポイントです。 薬のことで「聞くのが面倒」と感じてしまうと、飲み忘れや飲み間違いにつながることがあります。

こまり
こまり
なんか、選ぶこといっぱいあって、ちょっとめんどうだね…。でも確かに、なんとなく選んでて後から困るよりはいいのか。
とも
とも
最初はそんなに気張らなくて大丈夫です。「今いちばん通いやすいところ」から始めて、「気になることを気軽に聞けるかな」と感じたら、そこを続けてみる。それだけで十分だと思います。

まとめ

こまり
こまり
じゃあまとめると。薬局は一か所に絞ると、飲み合わせのチェックができて安心。お薬手帳もちゃんとつかえる。飲み間違えたときの相談や、1回分ずつ袋にまとめてもらうお願いもできる。将来は薬剤師さんが家に来てくれることもある。選ぶときは「通いやすい」「話しやすい」が大事、ってこと?
とも
とも
完璧なまとめです。「薬のことはお医者さんに任せておけば大丈夫」と思いがちですが、薬剤師さんという専門家にも積極的に相談できる環境を作っておくと、在宅介護の安心感がひとつ増えます。

介護が進むと、薬の種類も、管理の難しさも増えていくことがあります。 「今はなんとかなっている」という時期に、薬局のことを少し見直しておくことが、後々の安心につながります。

具体的な薬のことや、訪問薬剤師の手配については、担当のケアマネジャーや、かかりつけ医・薬局の薬剤師さんにご相談ください。

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とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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