訪問リハビリって何をする?機能訓練との違いと利用のタイミング
「退院してからもリハビリって続けられるの?」 「病院に通えない親に、自宅でリハビリをしてもらいたい…」
こんなふうに感じている家族の方は、きっと多いはずです。 在宅介護がはじまると、「病院のリハビリ」から離れてしまうことに不安を感じる方もいますが、実は自宅にいながらリハビリを受ける方法があります。
今日は 訪問リハビリ について、機能訓練との違いや1回の時間・料金の目安も含めて整理していきます。
訪問リハビリとは何か
訪問リハビリとは、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)といったリハビリの専門職が、利用者の自宅に訪問して行うサービスです。
介護保険が適用されるサービスで、要介護1〜5の認定を受けている方が対象です(要支援1〜2の方は「介護予防訪問リハビリ」として利用できます)。
訪問するのは、病院・クリニック・老人保健施設(老健)などに所属するリハビリ職員です。事業所によって専門性や対応内容に違いがあるため、ケアマネジャーと相談しながら選ぶのがよいでしょう。
訪問リハビリでできること
リハビリ職員がご自宅に来て行う内容は、大きく分けると次のようなものです。
- 身体機能の訓練:筋力・バランス・歩行の回復・維持
- 日常生活動作(ADL)の練習:起き上がり、着替え、トイレ動作など
- 住環境の確認とアドバイス:「この廊下には手すりがあると安心」などの提案
- 家族への介助指導:介護する家族に対して、安全な介助の仕方を教えてもらえる
- 言語・嚥下(えんげ=飲み込み)訓練:言語聴覚士が対応
特に「家族が安全に介助できるように指導してもらえる」点は、家族の方にとって大きな安心につながります。
1回の時間と料金の目安
訪問リハビリを検討するとき、「どのくらいの時間来てくれるの?」「費用はどれくらいかかる?」というのが気になるところだと思います。
1回の訪問時間
一般的な訪問リハビリの1回あたりの時間は、20分が1単位として設定されています。 実際の利用では、40分(2単位)または60分(3単位)のケースが多いです。
週の利用回数は、医師の指示や本人の状態によって異なりますが、週1〜3回程度が一般的な範囲です。
費用の目安
介護保険の自己負担割合(1割・2割・3割)によって変わりますが、目安として1割負担の場合でご紹介します。
- 1回20分(1単位)あたり:約300〜320円程度
- 1回40分(2単位)で週2回、月8回利用した場合:約5,000〜5,500円程度
※上記は介護保険の訪問リハビリテーション費の目安です。事業所の加算や地域の差異により実際の金額は異なります。
「機能訓練」との違いは?
ここで少し混乱しやすいのが、デイサービスなどで行われる「機能訓練」との違いです。
| 訪問リハビリ | 機能訓練(デイサービス等) | |
|---|---|---|
| 場所 | 自宅 | 通所施設 |
| 担当者 | PT・OT・STのいずれか | 機能訓練指導員(看護師・柔道整復師なども含む) |
| 内容 | 個別のリハビリ訓練 | 施設内での集団・個別体操など |
| 目的 | 機能回復・維持、生活動作の改善 | 身体機能の維持・改善、社会参加 |
機能訓練は「デイサービス(通所介護)の中に組み込まれているプログラム」のことが多く、担当者はリハビリの国家資格者に限られていません。
一方、訪問リハビリはPT・OT・STという国家資格を持つ専門職が個別対応するため、より専門的な訓練が必要な方に向いています。
どちらが「よい」ということではなく、本人の状態や目標に合わせて選ぶ、あるいは組み合わせて使うことができます。
どんな人に向いているか
訪問リハビリが特に合いやすいのは、こんな状況の方です。
- 退院直後で、外出がまだ難しい
- 施設に通うのが体力的に厳しく、自宅でのリハビリを希望している
- 歩行や日常動作で具体的な目標(玄関まで歩けるようになりたい、など)がある
- 介護する家族が安全な介助方法を習いたい
- 言葉や飲み込みに問題がある(言語聴覚士によるリハビリが必要な場合)
逆に、「外に出ること自体がリハビリになる」「他の人と交流しながら体を動かしたい」という方は、デイサービスの機能訓練のほうが合っている場合もあります。
「訪問から通所へ」切り替えるケースも多い
実は、訪問リハビリを使い続ける方ばかりではありません。 退院直後は訪問リハビリでしっかり回復を図り、ある程度元気になったらデイサービスやデイケア(通所リハビリ)に切り替える、というパターンはとてもよくあります。
たとえばこんな流れです。
- 退院直後:自宅から出るのが難しいので訪問リハビリを週2〜3回
- 3〜6か月後:歩行が安定してきたので、週1〜2回のデイケアに切り替え
- その後:体力や意欲が上がり、デイサービスで他の利用者と交流しながら体操も楽しめるようになった
利用までの流れ
訪問リハビリを利用するには、医師の指示書が必要です。ここが少しポイントになります。
- 主治医(かかりつけ医)に相談し、指示書を書いてもらう
- ケアマネジャーにケアプランへの組み込みを依頼する
- 訪問リハビリ事業所との契約・初回訪問
退院時に病院の担当者(退院調整の看護師やソーシャルワーカー)から、ケアマネジャーへ情報が引き継がれることも多くあります。退院前から動き出しておくと、退院後すぐに訪問リハビリを始められて、自宅での生活の立ち上がりがスムーズになります。
まとめ
訪問リハビリは、退院後の生活を自宅でしっかり支えてくれる選択肢のひとつです。
- 自宅で受けられるリハビリ(移動・着替え・食事など、生活に直結する動作の練習)
- デイサービスの「機能訓練」とは別物(医師の指示書が必要、より医療色が強い)
- 1回20分が1単位で、40分〜60分の利用、週1〜3回が一般的
- 利用までは:主治医に相談 → ケアマネに依頼 → 事業所と契約
「うちの親に合っているかな」と感じたら、まずは担当のケアマネジャーや主治医に気軽に聞いてみるところから始めてみてください。
最終的なご判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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