おむつ・パッド、売り場で固まる前に。選ぶ軸は2つだけ
「テープ式? パンツ式? パッドも別に要るの……?」
はじめておむつコーナーに立ったとき、棚一面の商品を前にして頭が真っ白になった、という方はとても多いです。 種類が多すぎて、どれを手に取ればいいかわからない。とりあえず買ってみたけど合わなくて無駄になった——そんな経験、ありませんか。
大丈夫です。実は選ぶ軸は2つだけ。 今日はその2つを軸に、売り場で迷わないための考え方を整理していきます。
まず決めること① 「歩けるか・動けるか」でタイプが決まる
介護用おむつには大きく分けてテープ式とパンツ式(リハビリパンツ)の2種類があります。 どちらを選ぶかは、ご本人の「動ける状態」で決めます。
テープ式:寝て過ごすことが多い方に
テープ式は、寝たまま横から当てて左右のテープで留めるタイプです。 ご自身でトイレに行くのが難しく、ほぼベッド上で過ごしている方に向いています。
- 寝た状態での交換がしやすい
- 体の動きに合わせてテープの位置を調整できる
- 交換のたびに全部外す必要があるため、介助者がいる前提
パンツ式:自分で立てる・歩ける方に
パンツ式(リハビリパンツ)は、普通のパンツと同じように足から通して穿くタイプです。 ご自身でトイレに行けたり、つかまって立てたりする方に向いています。
- ご本人が自分で着脱できる(自立を保ちやすい)
- 見た目が下着に近く、本人の尊厳を守りやすい
- 介助の際は横のミシン目を破いて外せる
まず決めること② 「吸収量」で昼用・夜用を選ぶ
タイプが決まったら、次は吸収量です。 同じパンツ式でも「昼用」「夜用」「長時間用」と種類があるのは、この吸収量の差です。
吸収量の目安
| 用途 | 特徴 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 昼用(軽め) | 薄くて動きやすい | 日中、トイレに定期的に行ける方 |
| 夜用・長時間用 | 厚め、吸収量多め | 夜間・外出・交換しにくい場面 |
昼用は薄くてムレにくく、本人も快適です。 夜用は1枚の吸収量が多い分、漏れにくく夜間の交換回数を減らせます。
パッケージに「◯回分」と書いてある数字が吸収量の目安になります。 メーカーによって表記の仕方が違いますが、「回数が多い=吸収量が多い」と読めばOKです。
パッドを「内側に重ねる」と、交換が楽でコストも下がる
ここで、もう一歩踏み込んだ話をします。 介護用品コーナーには尿とりパッドという薄いパッドが別売りされています。
これ、外側のおむつ(テープ式・パンツ式)の内側に重ねて使うことができます。
パッド併用のメリット
- 交換が楽になる:尿だけのときは、内側のパッドだけ替えれば済みます(外側のおむつは、ぬれていなければそのまま使えます)
- コストが下がる:外側のおむつは1枚の単価が高め。パッドは安いので、交換コストが減る
- 肌への刺激が減る:外側まで全部交換しなくていい分、肌への負担も少なくなる
便が出たときは、ここだけ気をつけて
便のときは、パッドだけでなくお尻や外側も汚れていないか確認しましょう。
- 便がパッドの中に収まっていれば、パッドだけ替えればOKです
- 外側のおむつや肌まで広がっていたり、下痢のときは、外側ごと替えて、お尻をやさしく拭いてあげてください
便は尿より肌が荒れやすく、においも残りやすいので、尿のときより早めの交換を心がけると安心です。ぬれたまま長く当てっぱなしにせず、ときどき肌の様子も見てあげてください。
売り場に行く前の、3つの質問
棚の前で固まらないように、家を出る前にこの3つだけ決めておきましょう。
質問1:その人は、自分でトイレに行ける?
- 行ける・つかまれば立てる → パンツ式
- ほぼ寝て過ごしている → テープ式
質問2:夜や長い外出で、替えずに過ごす時間が長い?
- 長い → 夜用・長時間用(吸収量が多め)
- 日中にこまめに替えられる → 昼用(薄めで快適)
質問3:コストと交換の手間を減らしたい?
- はい → 外側おむつ+内側パッドを併用
この3つが決まれば、棚の半分は見なくて大丈夫。迷う時間がぐっと減ります。
「使ってみたら合わなかった」は起きやすい
おむつ・パッドは体型・肌の状態・生活パターンによって「合う・合わない」があります。
実は「合わなかった」の原因でいちばん多いのは、吸収量よりもサイズです。M・L・LLが体に合っていないと、すき間から漏れたり、ずれたり、肌がこすれてかぶれたりします。パッケージのウエストサイズ(cm)を、買う前に必ず確認してください。
最初から大容量パックで買うのではなく、最初は少量パック(5〜10枚入り)で試すのがおすすめです。 特に初めて使う製品は、小さいパックで試してから、合えば大袋に切り替える方が無駄になりません。
また、おむつ・パッドは介護保険の対象外です(購入費は原則自己負担)。 ただし、自治体によっては紙おむつの給付・補助制度がある場合があります。市区町村の窓口や担当ケアマネジャーに確認してみてください。
介護保険で使える道具については、福祉用具レンタル、何が借りられて月いくら?介護ベッドから車椅子までもあわせてご覧いただくと、全体像が把握しやすいです。
まとめ
排泄ケアは、介護のなかでもご家族が「どう接したらいいか」戸惑いやすい部分です。 選び方に正解はひとつではないので、試しながら調整していくつもりで進めてみてください。
製品の選択や体の状態に合ったものについては、担当のケアマネジャーや訪問介護事業所のスタッフにも気軽に相談してみてください。実際に使っている方の情報を一番よく知っているのは、身近な専門職です。
現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。
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