在宅介護

おむつ・パッド、売り場で固まる前に。選ぶ軸は2つだけ

おむつ・パッド、売り場で固まる前に。選ぶ軸は2つだけ

「テープ式? パンツ式? パッドも別に要るの……?」

はじめておむつコーナーに立ったとき、棚一面の商品を前にして頭が真っ白になった、という方はとても多いです。 種類が多すぎて、どれを手に取ればいいかわからない。とりあえず買ってみたけど合わなくて無駄になった——そんな経験、ありませんか。

大丈夫です。実は選ぶ軸は2つだけ。 今日はその2つを軸に、売り場で迷わないための考え方を整理していきます。


とも
とも
こんにちは。今日は介護用おむつ・パッドの選び方の話です。はじめて売り場に行った家族の方が「多すぎて選べない」とよくおっしゃるので、今日はそこをすっきりさせましょう。
こまり
こまり
いや、ほんとに多いよね。テープ式・パンツ式・パッド……「リハビリパンツ」ってのもあったし、何がどう違うの?
とも
とも
全部いっぺんに覚えようとするから混乱するんです。まず決めることは2つだけ。「その人は自分で歩けるか」と「どれくらいの吸収量が必要か」——この2点だけ押さえれば、売り場での選択肢がぐっと絞れますよ。

まず決めること① 「歩けるか・動けるか」でタイプが決まる

ドラッグストアの売り場で商品を手に取る女性

介護用おむつには大きく分けてテープ式パンツ式(リハビリパンツ)の2種類があります。 どちらを選ぶかは、ご本人の「動ける状態」で決めます。

テープ式:寝て過ごすことが多い方に

テープ式は、寝たまま横から当てて左右のテープで留めるタイプです。 ご自身でトイレに行くのが難しく、ほぼベッド上で過ごしている方に向いています。

  • 寝た状態での交換がしやすい
  • 体の動きに合わせてテープの位置を調整できる
  • 交換のたびに全部外す必要があるため、介助者がいる前提

パンツ式:自分で立てる・歩ける方に

パンツ式(リハビリパンツ)は、普通のパンツと同じように足から通して穿くタイプです。 ご自身でトイレに行けたり、つかまって立てたりする方に向いています。

  • ご本人が自分で着脱できる(自立を保ちやすい)
  • 見た目が下着に近く、本人の尊厳を守りやすい
  • 介助の際は横のミシン目を破いて外せる
こまり
こまり
つまり「ベッドで寝ている→テープ式」「自分で歩ける→パンツ式」ってこと?
とも
とも
そのとおりです。「今の状態でトイレに行けるかどうか」が分かれ目。迷ったときはその一点だけ考えてみてください。

まず決めること② 「吸収量」で昼用・夜用を選ぶ

タイプが決まったら、次は吸収量です。 同じパンツ式でも「昼用」「夜用」「長時間用」と種類があるのは、この吸収量の差です。

吸収量の目安

用途特徴使いどころ
昼用(軽め)薄くて動きやすい日中、トイレに定期的に行ける方
夜用・長時間用厚め、吸収量多め夜間・外出・交換しにくい場面

昼用は薄くてムレにくく、本人も快適です。 夜用は1枚の吸収量が多い分、漏れにくく夜間の交換回数を減らせます。

パッケージに「◯回分」と書いてある数字が吸収量の目安になります。 メーカーによって表記の仕方が違いますが、「回数が多い=吸収量が多い」と読めばOKです。


パッドを「内側に重ねる」と、交換が楽でコストも下がる

自宅のリビングで穏やかに話す親子

ここで、もう一歩踏み込んだ話をします。 介護用品コーナーには尿とりパッドという薄いパッドが別売りされています。

これ、外側のおむつ(テープ式・パンツ式)の内側に重ねて使うことができます。

パッド併用のメリット

  • 交換が楽になる:尿だけのときは、内側のパッドだけ替えれば済みます(外側のおむつは、ぬれていなければそのまま使えます)
  • コストが下がる:外側のおむつは1枚の単価が高め。パッドは安いので、交換コストが減る
  • 肌への刺激が減る:外側まで全部交換しなくていい分、肌への負担も少なくなる
こまり
こまり
へぇ、重ねて使っていいんだ。でも、厚くならないの?
とも
とも
厚みは少し出ます。なので、外側のおむつはパッドを重ねることを前提に「吸収量が少なめ(薄め)」のものを選ぶとちょうどいいバランスになりますよ。売り場で「テープ式+パッド」や「パンツ式+パッド」のセット提案をしているコーナーもありますから、参考にしてみてください。ただし、吸収量を増やそうとパッドを何枚も重ねるのは、あまりおすすめできません。重ねても吸収量はそれほど増えず、かえって段差から漏れたり、ムレてかぶれの原因になりやすいんです。足りないと感じたら、重ねるより、吸収量の多いパッドや外側を選ぶほうがうまくいきますよ。

便が出たときは、ここだけ気をつけて

便のときは、パッドだけでなくお尻や外側も汚れていないか確認しましょう。

  • 便がパッドの中に収まっていれば、パッドだけ替えればOKです
  • 外側のおむつや肌まで広がっていたり、下痢のときは、外側ごと替えて、お尻をやさしく拭いてあげてください

便は尿より肌が荒れやすく、においも残りやすいので、尿のときより早めの交換を心がけると安心です。ぬれたまま長く当てっぱなしにせず、ときどき肌の様子も見てあげてください。


売り場に行く前の、3つの質問

棚の前で固まらないように、家を出る前にこの3つだけ決めておきましょう。

質問1:その人は、自分でトイレに行ける?

  • 行ける・つかまれば立てる → パンツ式
  • ほぼ寝て過ごしている → テープ式

質問2:夜や長い外出で、替えずに過ごす時間が長い?

  • 長い → 夜用・長時間用(吸収量が多め)
  • 日中にこまめに替えられる → 昼用(薄めで快適)

質問3:コストと交換の手間を減らしたい?

  • はい → 外側おむつ+内側パッドを併用

この3つが決まれば、棚の半分は見なくて大丈夫。迷う時間がぐっと減ります。


「使ってみたら合わなかった」は起きやすい

おむつ・パッドは体型・肌の状態・生活パターンによって「合う・合わない」があります。

実は「合わなかった」の原因でいちばん多いのは、吸収量よりもサイズです。M・L・LLが体に合っていないと、すき間から漏れたり、ずれたり、肌がこすれてかぶれたりします。パッケージのウエストサイズ(cm)を、買う前に必ず確認してください。

最初から大容量パックで買うのではなく、最初は少量パック(5〜10枚入り)で試すのがおすすめです。 特に初めて使う製品は、小さいパックで試してから、合えば大袋に切り替える方が無駄になりません。

また、おむつ・パッドは介護保険の対象外です(購入費は原則自己負担)。 ただし、自治体によっては紙おむつの給付・補助制度がある場合があります。市区町村の窓口や担当ケアマネジャーに確認してみてください。

介護保険で使える道具については、福祉用具レンタル、何が借りられて月いくら?介護ベッドから車椅子までもあわせてご覧いただくと、全体像が把握しやすいです。


まとめ

こまり
こまり
整理すると——「歩けるか」でテープ式かパンツ式かが決まる。「吸収量」で昼用か夜用かが決まる。コストと手間を減らしたいならパッドを内側に重ねる。最初は少ない枚数で試す。こんな感じ?
とも
とも
完璧です。「種類が多すぎる」という印象は、全部を覚えようとするから来るんです。この2軸で考えれば、売り場の半分は無視していい。そうやって少しずつ、ご家族に合うものが見つかっていきますよ。それと、もうひとつだけ。「高いおむつ=良いおむつ」ではありません。その人の体型や暮らし方に合うものが、その人にとっての良いおむつなんです。

排泄ケアは、介護のなかでもご家族が「どう接したらいいか」戸惑いやすい部分です。 選び方に正解はひとつではないので、試しながら調整していくつもりで進めてみてください。

製品の選択や体の状態に合ったものについては、担当のケアマネジャーや訪問介護事業所のスタッフにも気軽に相談してみてください。実際に使っている方の情報を一番よく知っているのは、身近な専門職です。

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とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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