在宅介護

久しぶりに会った親、なんだか老けてた…帰省で気づいたら

久しぶりに会った親、なんだか老けてた…帰省で気づいたら

親に会うのは、半年ぶり、1年ぶり——。

「あれ、なんか小さくなった気がする」
「さっきもおなじ話してたよね…?」
「階段、ゆっくりだな」

年末年始やお盆、連休、ふとした帰省のとき、日常の変化がまとめて目に飛び込んでくることがあります。
うれしい再会のはずなのに、胸がざわっとしてしまう。そんな違和感を覚えて、このページにたどり着いた方もいるかもしれません。そういう気持ち、きっとあなただけじゃありません。

今日は、そのざわつきをどう受け止めて、何をしておけばいいか、一緒に考えてみます。


こまり
こまり
久しぶりに会うと、変わったのが分かっちゃうね…。毎日一緒にいる人には気づけない変化が、ぱっと見えるっていうか。
とも
とも
そうなんです。離れて暮らしているからこそ、その「気づき」は大事なサインだったりします。近くにいると変化がじわじわで見えにくい分、久しぶりに会う家族の目はとても正直なんですよ。
こまり
こまり
でも、なんか気づいちゃったとき、どうすればいいんだろう。すぐ「施設に入ろう」とか言うのも違う気がして…。
とも
とも
まさにそこ、大事なポイントです。今日は「ドキッとしたあと、まず何をするか」を一緒に整理していきましょうね。

「変化に気づいた」は、責められることじゃない

帰省して母と再会する娘の温かな一場面

帰省から戻ったあと、「もっと早く気づけばよかった」と自分を責める方がとても多いです。
でも、日常のそばにいないからこそ見えた変化です。これはむしろ大切なことです。

毎日一緒に暮らしている人には、変化はあまりにもゆっくり進むので気づきにくい。
「なんか老けたかな」「ちょっとよろけてた」——そのぼんやりした印象が、実は大切な情報を含んでいます。

責めるのはいったん横に置いて、「気づけたんだ」という受け止め方からはじめましょう。


帰省中に目を向けておきたい変化

「なんか変だな」と感じたとき、次の点を軽く確認しておくと、あとで役に立ちます。
チェックリストのようなものではなく、「観察のヒント」として読んでもらえれば。

ただ、ひとつ先にお伝えしたいことがあります。

とも
とも
「変だな」と感じると、つい「ちゃんと食べてる?」「病院行った?」と矢継ぎ早に聞きたくなりますよね。でも、親の側からすると、心配されること自体が「老いを認めさせられる」感覚になることもあって。「大丈夫だよ」と隠したり、心を閉ざしてしまう場合もあるんです。
こまり
こまり
あ、そうか。親だって「自分はまだ大丈夫」って思いたいよね。問い詰められたら、なんか恥ずかしいというか、悲しいというか…。
とも
とも
だから、「親を採点する」感覚じゃなくて、さりげなく気にかけるくらいでいいんです。気づいたことは心の中にメモしておいて、あとで家族と共有する——そのくらいのスタンスで十分ですよ。

そのうえで、こんな変化に目を向けておくと参考になります。

体や動きのこと

  • 体重が明らかに減っている(服が余っている、顔がこけている)
  • 歩き方がおぼつかない、つまずきそうになる
  • 立ち上がるのに時間がかかる、手すりに頼っている
  • 足元が散らかっている(転びやすい状態になっていないか)

転倒リスクは、早めに家の中を見直すことで予防できることもあります。
よければこちらも参考にしてみてください。→ 親の転倒が怖い。家の中の危険を家族が見直す方法

食事・生活のこと

  • 冷蔵庫に古いものが増えていないか
  • 食べた形跡があるか(食器、買い物袋)
  • ゴミが出されていない、洗い物がたまっている

認知機能のこと

  • 同じ話を短時間で何度もする
  • 名前や日付を間違える
  • 少し前のことを覚えていない

「同じ話を繰り返す」は、加齢でも起きますし、認知症(記憶や思考の機能が低下する病気)の初期サインでもあります。1回の帰省で判断するのは難しいので、「そういうことが増えている」という傾向を見ておくのが大事です。

こまり
こまり
え、冷蔵庫まで見るの?そんなとこまで気にするんだね。
とも
とも
冷蔵庫、意外と情報の宝庫なんですよ。賞味期限切れがたくさんある、同じものを何個も買っている——こういうのも、生活の変化が出やすい場所のひとつです。あくまでさりげなく、ですけどね。

帰省中にしておきたいこと4つ

帰省中に気づいたことをメモする子の様子

いきなり「施設を探そう」とか「病院に行こう」と動き出さなくていいです。
まずはこの4つを、帰省中にやっておくだけで十分です。

1. 気づいたことをメモしておく

記憶はどんどん薄れます。「なんかおかしかったな」という感覚を、帰る前に簡単でいいのでメモしておきましょう。
スマホのメモアプリでも、手帳の端っこでも構いません。

書くポイントは「いつ・何を見て・どう感じたか」だけ。
「〇月〇日 ご飯食べたかどうか忘れてた様子。3回同じ話をしていた」という程度で十分です。

2. 地域包括支援センターの場所だけ確認しておく

地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしのことを無料で相談できる、地域の総合相談窓口です。
介護保険の申請前でも相談できますし、「どこかに相談したいけど何をすればいいか分からない」という段階でもOKです。

帰省中に「うちの親の地域の地域包括支援センターはどこか」だけ調べておくと、いざというときに動けます。
市区町村のホームページか、「◯◯市 地域包括支援センター」で検索すれば出てきます。

「まだ介護が必要なわけじゃないし…」と思っていても、場所だけ把握しておくのは早すぎることはありません。

3. きょうだいや家族と印象を共有しておく

一人で抱え込まず、帰省した機会に「なんか変だと思わなかった?」と話してみましょう。
意見が違っても構いません。「自分はこう感じた」という情報を共有することが大事です。

LINEで「気になったこと」をまとめたメモを送るだけでも、あとで「あのとき言ってたよね」と共通の土台になります。

4. 近所の”目”を借りられるか、考えてみる

離れて暮らしていると、次の帰省まで親の日常が見えない期間が長くなりがちです。
そこで、近所付き合いがある場合は、信頼できるご近所の方や、親がよく行くお店の人に一声かけておくという選択肢があります。

とも
とも
「最近、変わった様子はないですか」「何かあったら連絡をもらえると助かります」と一声かけておくだけで、離れていても変化に早めに気づけることがあります。親御さんが抵抗を感じない範囲で、連絡先を一つお伝えしておくと、いざというとき動きやすいですよ。
こまり
こまり
でも、親が「見張られてる」って嫌がらないかな?
とも
とも
そこは大事なポイントで、「監視」じゃなくて「地域のつながり」として自然にお願いできる関係かどうかが前提です。親が嫌がりそうな場合や、もともと近所付き合いが薄い場合は、無理にしなくていい。あくまでできる人の、できる範囲での選択肢ですね。

これは「次の帰省」を待たないで——急ぐべきサインとは

「気づいたことはメモして、落ち着いて対応を」というのが基本スタンスですが、
なかにはすぐに動いたほうがいいサインもあります。

落ち着いて見極めるために、ここだけ少し丁寧にお伝えします。

次のような状態が見られたら、次の帰省を待たずに、かかりつけ医か地域包括支援センターに電話相談することをおすすめします。

  • 急に体重が落ちた、食事や水分がほとんど摂れていない
  • 転倒を繰り返している、転んだあとがある(打撲のあと、歩けていないなど)
  • 持病の薬が大量に余っている(飲めていない可能性、体調が明らかに悪い)
  • 夏場などにぐったりしている、反応が鈍い(脱水のおそれがあります)

そして、次のようなサインがあれば、迷わず受診、または救急(119)へ

  • 呂律(ろれつ)が回らない、言葉がおかしい
  • 片側の手足が動きにくい、顔が歪んでいる
  • 急に激しい頭痛を訴えている

脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)などは、時間が勝負になることがあります。
「大げさかな」と迷う気持ちはわかりますが、このようなサインが重なるときは、ためらわず動いてください。

とも
とも
「様子を見よう」でいい変化と、すぐ動くべき変化は、ちゃんと違います。ふだんは落ち着いて、でもここに挙げたようなサインには反応する——その"切り分け"を持っていると、帰省のあとが少し楽になると思います。
こまり
こまり
なるほど。全部急がなくていいけど、これだけは急ぐ、っていうラインを知っておくってことか。

慌てて施設の話をしなくていい

帰省のたびに「そろそろ施設を考えなきゃ」「ひとりで暮らせないんじゃ」と焦る気持ち、わかります。
でも、その場で結論を出そうとしなくて大丈夫です。

一度の帰省で判断するより、今回気づいたことを記録して次の帰省と比べるほうが、ずっと正確な情報になります。
また、専門家(ケアマネジャーや地域包括支援センターの相談員)は、こういった「家族の気づき」をとても大切にしています。「素人の感覚」ではなく、大切な情報として受け取ってもらえます。

こまり
こまり
つまり…「気づいた→急いで動く」じゃなくて、「気づいた→メモして共有して、場所だけ把握しておく」ってことね。急ぐべきサインのときだけ、すぐ動く。
とも
とも
完璧なまとめです。帰省の気づきは「アクションの起点」であって、「すぐ結論を出す場」じゃないんですよね。まずは記録と共有、それだけで十分です。

久しぶりに会うと、つい「できなくなったこと」にばかり目が向いてしまいます。
でも、できなくなったことだけが、親の姿ではありません。
まだできていること、楽しそうに話していたこと、好きなものをおいしそうに食べていたこと。
そんな「変わらない部分」も、どうか一緒に覚えておいてくださいね。


まとめ

  • 久しぶりに会うからこそ気づける変化は、大切なサインです。気づいた自分を責めなくていい
  • 「親を採点する」感覚ではなく、さりげなく気にかけるくらいのスタンスで
  • 体・食事・認知の変化を「傾向」として観察し、帰る前にメモしておく
  • 地域包括支援センターの場所だけ調べておくと、いざというときに動きやすい
  • きょうだいと「なんか気になった」を共有しておく
  • 施設の話はあとでいい。まず記録と共有から
  • ただし”急ぐべきサイン”があれば、次の帰省を待たずすぐ相談を
  • 近所付き合いがあれば、ご近所や地域の目を借りるのも一つの手
とも
とも
帰省でドキッとした気持ち、そのまま流さないでほしいんです。でも一人で抱え込まなくていい。落ち着いていい変化と、すぐ動くべき変化、その両方を知っていると、少しだけ心に余裕ができると思います。気になることがあれば、地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談が助けになります。最終的なご判断は、担当のケアマネジャーや専門家にご相談ください。
こまり
こまり
気づけたのは、ちゃんと親のことを見てたってことだよね。それだけで、すごいことだと思う。
🐾
とも 現役・主任介護支援専門員

現役のケアマネジャー(主任介護支援専門員)。在宅介護の家族に「ちょっと隣にいる人」がいたらいいなと思ってこのブログを始めました。猫のこまりとお届け中。

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